エアガンライフ第2章から、タナカのペガサス、そしてマルシンのMAXIシリーズと、リボルバーがセミオートにも負けないパワーとそこそこの命中精度と飛距離をたたき出す時代になったことを感じた私。
前出の記事で、タナカのM29クラシック6.5インチを購入するまで、ダーティーハリーで世界的にも国内でも有名なはずの通称44マグナム「S&W M29」を1挺も購入したことがなかったのです。
なおこの段階でも、私が購入したのはアンダーラグの付いた「クラシック」でしたので、要するにダーティーハリー、つまりクリント・イーストウッドが使用していたアンダーラグのないオリジナルのM29は購入していないことになります。
話は少し前後しますが、いつも通っていたホビーショップの店員Uさんから「I市にすごい古びたおもちゃ屋さんがあるんですケド、とにかく昭和の香りプンプンで本当にすごいんです」という情報を聞きつけて、そのおもちゃ屋さんに行ってきました。
そして目についたのがこの銃です。
そうです。M29欲しいナとは思っていたのですが、生まれて初めてのアンダーラグのないM29はこれになりました。
どん
ヨネザワ S&W M29 6.5インチ カート式ガスリボルバー
そうなんです。ヨネザワです。購入したのは2003年です。すでにヨネザワ自体が確かこの時にはすでにセガに吸収されてて存在していなかったのではなかったでしょうか?
それにオジサン諸兄はご存知と思いますが、ヨネザワと言えば「プッシュセット式エアコッキング」で有名なメーカーであり、ガスガンはちょっとだけで、あまりラインナップしておらず、ましてやガスリボルバーはこのM29とM629の2種類のみでした。
ヨネザワのガスガンと言えば
・ワルサーMPL
(↑電池とガスで動くハイブリッド?)
・AMTハードボーラー&ゴールドカップナショナルマッチ
(↑ハンドガンなのに外部ソースでフルオートでブローバック)
・COP357
・コルト25ポケット
・S&W M61エスコート
・あとAMT380とかなんとか・・・うろ覚えだけど
がラインナップされていましたね。
こんなマニアックな銃を新品同様でこの銃を保存しているのも珍しいのでは?もしかすると動画でアップした人も私が初めてカモ(笑)
初速計測しました、どぞ(・ω・)ノ
弾はいつもの0.2gバイオ弾です。
1発目・・・47mps
2発目・・・38mps
3発目・・・38mps
4発目・・・エラー
5発目・・・エラー
6発目・・・30mps
上下動が激しいのぅ(;´・ω・)
まぁ昭和の銃ですし、こんなもんでしょう。
ではクローズアップいきます(・ω・)ノ
結構、語気強めの警告・・・
マルシンやコクサイ同様、可動式のフォーシングコーンですが、この銃はインナーバレルがフォーシングコーンを兼ねています。そのためコクサイのような割れはないです。
純正カートリッジはプラ製で、空薬莢風です。BB弾を保持するパッキンはプライマー部分にあり、後ろ込めとなっています。
そこでふと・・・
「マルシンの自主規制時のカートに似てるな」
そう思ったのでカートを並べて比較してみました。
左・・・ヨネザワ
右・・・マルシン自主規制時カート
両社とも同じく後ろ込めですが、ケースの大きさも、シリンダー内のインサートの長さも異なるので、似た形状はしていましたが、互換性も何もなかったです。
あと、ここがこの銃の特長というか当時のヨネザワの面白いところ
グリップ底部のアップ画像です。
右の穴はリキッドチャージ用、左のねじは何と外部ソース用なのです。あらかじめこのようにメーカーが作り込んでいました。それはなぜか・・・
このころ、フロンガスがオゾン層を破壊するということが周知の事実となり、環境保全が叫ばれ始めてきたころで、フロン12を使用するガスガンはかなり肩身の狭い時期を過ごしていました。
代替フロンであるHFC「134A」が世に出る前のHCFCの頃は何とかこうした部分を少しでも良くしようと各メーカーが頑張っていた時期でした。
そしてヨネザワは「ガンタンク」という少し微妙なネーミングではありましたが、1リットルくらいのタンクと手押しポンプの空気入れが一体化した外部ソース用のタンクを発売しており、それ専用に、あらかじめ外箱パッケージには「フロンガス・圧縮エア両用」と明記していて、その接続部分がこのねじの部分・・・というわけです。ハードボーラー・ナショナルマッチについては、このガンタンクとのセットもパッケージングされてラインナップされました。今でも稀にヤフオクで見かけます。
ヨネザワ以外のメーカーでも、フロンガスからの脱却を図るべく、開発は続けられていて、電動ガンもマルイのFA-MASの陰に隠れて歴史のなかに埋もれてしまいましたが、そのころには他のメーカーも電動ガンを発売していて
・JAC(ステアーAUG-SA)
・グンゼ産業(ソシミSMG821)
・トイテック(P90)
・FTC(MP5SD3 アグレガートの電動バージョン) が電動ガンを
そして
・MGC(MP5K)
・WA(ヤティマティック)
・ヨネザワ(ワルサーMPL)
といった各社もガス+モータというハイブリッドを展開していて、今の電動ガン成熟期の前段階である黎明期真っ只中だったのです。
変わり種ではマルゼンのKG9ですね、あれはガスのバルブをたたくのに、何とガトリングガンの様にクランクシャフトを手動でクルクルと回してフルオートにするのです。外箱のパッケージに「マル秘アイテムで連射可能」と書いてあって、結構ウケました。
このM29は、そんなエアガンガスガンの過渡期に、世に出た銃なのです。
そんな歴史の1ページの銃なのですが、「M29が欲しい」って言ったって、なんでわざわざこの銃を選んだの??
・・・それは「店内のシーンとした空気と沈黙、お店のおじさんの視線に耐えられなくなって、脱出するために購入したから」
店内に入ると、客は私一人だけ、入ったはいいケド、なんか買い物しないと居づらいし出づらい雰囲気(;´・ω・)
何か買わなきゃ・・・静寂がプレッシャーとなりさらに私の焦りを高めました。
まさか購入から16年後の今、おじさんになった自分がこの銃のことで、こんな記事を書くことになっているとは・・・(;´・ω・)