今から30年以上前、週刊少年ジャンプでとある漫画が掲載されていました。
私たちガンマニアからすると
少年ジャンプ
↓
銃器が出てくる漫画
↓
と連想するのが普通だと思いますが、
今回ご紹介する銃はこの漫画の主人公が
使用する拳銃です。
「the EDGE(ジ・エッジ)」
この漫画は主人公とテロリストとの戦いを描いたものですが、週刊少年ジャンプへの連載当時はまだ平成になったばかりの頃。テロという言葉自体に馴染みがなく、読者層が小学生が多数を占めていた少年週刊誌にしては、シリアスで劇画タッチなその作風はあまり受け入れられず、わずか2巻で連載終了となってしまいました。
そんな不遇なこの作品ですが、私はあの当時からずっとこの漫画が好きで好きでたまらなくて、このストーリーの主人公「御子神鋭士(みこがみ えいじ)」に憧れて、穴があくまで何度も何度も読みました。
そしてお待たせいたしました。
今回、紹介する銃は、この漫画の主人公 御子神鋭士が使用するこちらです。どーーーーん
エルエス LS コルト デルタエリート10㎜オート エアコッキング
ストーリーの主人公、御子神鋭士は、テロリストに拉致された恋人を救出しに向かいます。そのシーンの中で、この銃にマガジンを挿入し、ホルスターに収める様子が描かれています。それがデルタエリートと私の出会いです。
このコマを見たとき、リングハンマーのガバメントなんだな・・・と何気なく思っていたのですが、この数話後のストーリーで初めてその全貌を見ることができます。
スライドにばっちり刻印が見えます。
この作品が連載されていた当時はまだ平成の始まり頃だったので、その時にこの銃を主人公の設定銃として採用するのは、とても情報が早かったなと思います。
あの当時はインターネットはありませんでしたので、誰もが気軽に銃器の情報を得られるような時代ではありませんでしたから、デルタエリートを登場させたのは、原作者である長沢先生のチョイスがとても素晴らしかったということだと思います。他にもあの時代では珍しく、情報がなかった銃も沢山出てきて、ストーリーの組み立ても素晴らしく、連載終了が惜しまれる名作だったと思います。
御子神が使用しているということで、この銃を街中のホビーショップを回って探しましたが、マイナーな銃でしたから、「出るわけないよな・・・」とあきらめていたその時!
行きつけのホビーショップの商品棚にこの銃が!
マジか!夢か?いや現実だ!
その銃の箱を取り、財布の中身も確認せずレジに駆け込みました。
以後、約30年近く経ちますが、まだまだキレイに保存してあります。
この銃はエルエス社の完成品シリーズにラインナップされていて、同じシリーズに
・S&W M745
・オメガ 10㎜オート も販売されていました。
あとは固定スライド式ガスガンも同じものが発売されており、マガジンはエアコキ・固定ガスとも共用というモノでありました。
詳細をクローズアップします。
10㎜AUTOの刻印。
このエジェクションポートだけで何時間見とれたことか・・・
いまでもタマランです。
マガジン底部も10㎜AUTOの刻印アリ。
この銃の最大のアクセント
黒のラバーグリップに
「デルタ」のメダリオン
実はこれ、シールなのです。
説明書にも「丸く切ってグリップに貼ってクダサイ」とあり、
貼り付けました。
こちらも一緒。
グリップはラバー製です。握り心地最高です。
グリップセイフティは可動部分ですが、実際にセイフティはかかりません。あくまでダミーです。
エルエスの刻印
フィクストのリアサイトにリングハンマー。
このハンマーもライブです。トリガーを引くと
ハンマーが落ちます。
マズル部分はスチール製です。
色合いが著しく異なりますが、そこはご愛敬。
コッキング量が短く、これくらいしかストロークしません。
クローズアップが終わりましたので、
いつもの初速計測を行います。
0.2gバイオ弾 での計測です。
その様子はこちら!
4発計測しておおむね32mpsでまとまりました。
当時は0.12g弾を使用していて、
尚且つHOPのない時代でしたから、
近接戦闘でした。
あの時代の環境を考えると
十分なスペックといます。
デルタエリートというと
「10㎜AUTO」を使用する点が
アイデンティティと言えますが、
■9㎜の高初速・貫通力
■45ACPのマンストッピングパワー
これらを兼ね備えた
銃・弾薬として
当時は脚光を浴びたものの、
スライドの破損やジャムにより、
「商業的には成功しなかった」
「一部のマニアにのみ
受け入れられた銃及び弾薬」という
悲しいレッテルを張られてしまいましたが、
そんなことより
「御子神鋭士が愛用している銃」
として、私の心に刻まれて、
以後、私とデルタエリートとの付き合いは
今もずっと続き、ハンドガン戦の
メインウェポンとして
今もこうして常にそばにいるのです。
(なお現在使用しているデルタエリートはマルイ1911ガスブロのスライド交換をしたものです)
この後「theEDGE」シリーズとして、
記事をいくつか挙げてまいりますので、
もしファンの方がいらっしゃいましたら、
ぜひコメント等、お待ちしております。
「嗚呼…theEDGEの続編…見たいなぁ。長沢先生…もしこのブログをご覧になっていたら、ぜひ御子神のその後、そして蛇ヶ花のその後を描いてクダサイ」
長沢先生がいてくださったから、
御子神を描いてくださったから、
わたしは大人になっても、
こうして趣味を
楽しむことができました。
たぶん私以外にも、
続編・御子神のその後を知りたがっている人は
多いと思います。
叶わぬ夢をいつまでも追い求める
そんなおじさんに私はなりまシタ。
(´-`*)