オークションで敗れ、
PPCカスタムを入手することの困難さを、
このような現実で突き付けられた私・・・。
このオークションが終了した週末、車を走らせ高速に乗り、私はこの銃を出品していたガンショップに向かいました。
別にこの店に行ったからといって、オークションの結果が覆るわけでもなく、PPCカスタムが手に入るわけでもないのに。
まるで失恋したような、何とも言えない気持ちを抱えたまま、このガンショップを訪れることにしました。
雑居ビルの中にある、近寄りがたい雰囲気の店構え、一見すると不愛想な感じの店主、中古の銃の数々。
その時の客は私一人だけ・・・。
一通り店内を見渡した後、店主が
主:「もし何か探しているものがあったら、声かけてくださいね」
私:「・・・あの・・・こないだは突然お電話してスミマセンでした・・・オークションの・・・PPCの件で・・・」
主:「あぁ・・・!あの時のお電話の方だったんですか?残念でしたね・・・」
私:「落札金額見て、ビックリしました。あんなに探している方がいると思わなくて・・・」
主:「実は落札した方は、うちの常連さんだったんです。オーナーさんも落札者さんも、どちらも常連さんだったので・・・世の中狭いですねぇ」
と、こんな会話をしたあと、しばらくPPCカスタムについて談義をしたのですが、その時、
主:「本当にPPCカスタムがお好きなんですね。もしよかったら、実物をご覧になりますか?まだ落札した方が引き取りに来てないので、ここにありますよ」
すると裏から持ってきたのは、専用の黒いケースに入った、紛れもなく本物の
MGC S&W M29 PPCカスタム 6.5インチ ラウンドバレル。
探し続けて、ようやく巡り合えたのに、オークションで敗れて手に入らなかった、あこがれの銃が目の前に・・・。あの時のキモチは「フラれた女の子に会う時」そのものでした。
主:「せっかくですから、どうぞ。構えてみてください。作動だけさせないように・・・落札した方にはナイショですからね、特別ですよ」
初めて手に取ったPPCカスタム。
スリムなグリップで握りやすい。
リブサイトからの眺め・・・オキやタイショーは、こんなふうに見えていたんだなと、しみじみ思う私。
私:「ありがとうございます・・・こんなに貴重なものを」
主:「いえいえ、喜んでいただけたらこちらも嬉し・・・ん?」
一瞬、店主の言葉が止まった。
主:「あれ?そういえば・・・」
私:「???」
・・・続く。