DT10mmAUTOの日記

エアガン・サバゲー関連の記事が中心です

※ 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

追い求めてリボルバー ~実用的なトイガンのリボルバーが生まれるまでの歴史※あくまで個人的見解~

前出の記事で書いた

「ちゃんとしたリボルバーが欲しい」

という切実だった当時の悩みのお話。

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707020627j:plain

当時の私には本当に悩ましい問題でした。

今回の記事はそんなおじさんのノスタルジーについて、思いを文章にして残したい・・・のであります。

リボルバー問題」(;´・ω・)

 

昔だけに限らず現代でもある程度致し方ない部分ではありますが、エア・ガスなど気体の圧力を利用してBB弾を飛ばす機構を持つエアガン・ガスガンは、その機構上、オートよりもリボルバーの方が隙間が多く出てしまい、エネルギーのロスが大きく、また実銃の機構をリアルに再現すればするほど、性能面を犠牲にしてしまいます。

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707020856j:plain

そのため当時のBB弾を発射できるリボルバーは、現実とは大きくかけ離れた発射機構を備えていたり、機構や外観をデフォルメ・オミットせざるを得ないことが多く、再現性でも作動性でもモデルガンには遠く及ばないことから、お座敷で握って楽しむにも、サバゲに持ち込むにも、シューティングレンジに持ち込んで的に向かっても、リボルバーは不利なことだらけでした。

 

 

当時の私たちガンマニアの楽しみの一つと言えば・・・刑事ドラマの銃撃戦。

ブラウン管の中では悪党を相手に刑事さんたちは銃をバンバンとぶっ放していきますが、その刑事役の役者さんのほとんどがリボルバーを用いて、犯人側の役者さんはほどんどがオートを使用していました。

こんな図式が頭の中に出来ていたガンマニアも多かったのでは??

刑事=リボルバー=正義の証

犯人=オートマチック=悪役の印

なぜリボルバーに思いを馳せたのか?理由は大半の人がこれだと思います。

 

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707233839j:plain

昭和の3大刑事ドラマと言えば・・・

太陽にほえろ

西部警察

■あぶない刑事   この3作品だとワタクシは勝手に思っていますが、

一部の刑事役の人を除き、ほとんどがリボルバーの刑事さんたちばかり。

この3作品に限り、オートを使用していた役者さんで思い浮かぶのは

神田正輝氏(S&W M59またはナショナルマッチ)

峰 竜太氏(FNブローニング1910) このお二人くらいです。

 

そのため、ブラウン管の中の刑事さんに憧れて、ホビーショップで売られているリボルバーを購入しよう!と普通ならなるのでしょうが、あの時代のリボルバーはどれもローパワーでサバゲに使えるような性能の物はなく、また装弾数が6発というリアルカウントなその条件も、やはり撃ち合いでは不利になる要因の一つ・・・そしてさらに追い打ちをかけるのが「トイガンリボルバーはオートに比べると割高な価格設定」コレです。

割安な価格帯のものでは機構がオミットされたりギミックが珍妙だったり、いまいち雰囲気に欠けるものが多く、これは悩ましい問題でした。

 

しかし、各メーカーさんではこのパワーロス問題、装弾数問題、販売価格の問題をいかにクリアにするかを試行錯誤されていて、私たちに夢を与え続けてくれたのです。

からしてみると笑ってしまいそうな珍機構も満載ですが、今回はそんなメーカーさんたちの試行錯誤と「それでもリボルバーのロマンを追い求めた」おじさんたちの若かりし頃のお話です。

一部所有しておらず、文章による紹介のみになってしまうものもありますが、ご容赦ください。

東京マルイ

組立キットのリボルバーS&WM29・M586・コルトパイソンをラインアップしていました。

カートリッジにスプリングを内蔵しており、そのスプリングを圧縮してから、弾頭部分につづみ弾をセットします。

シリンダーはスイングアウトせず、SAAのようにサイドプレートの付近から一発ずつ装填します。

装填後は、トリガーを引くとカートリッジ内で圧縮されたスプリングが解放され、つづみ弾を弾き飛ばす発射機構となります。

発射後の薬きょうもSAAのようにサイドプレート部分から一発ずつ排莢します。

【エルエス

昭和の頃はシリンダーの回転しないモナカ式ボディにスコープの形状をしたマガジンのエアリボルバー(確か¥1,500くらいだった気がする)

S&W M29

CLOT PYTHON

COLT KING COBRA を発売していました。

M29を所有していましたが、購入直後に発射した際、あまりのローパワーにがっかりしてしまった記憶があります。

 

その後平成に入ってから、組み立てキット式の

S&W M19(2.5インチ・4インチ・6インチ)

S&W M586(2.5インチ・4インチ・6インチ)が発売されました。

これもM19の6インチを購入しましたが、やはりローパワーで、マルイの¥1,900シリーズ相手に全く歯が立たないレベルでした。

 

【クラウン】

組み立て式エアリボルバーでコルトパイソンをラインナップしていました。友人が所有していましたが、やはりローパワーであまり飛ばなかったのをよく覚えています。

今では「エアリボルバーと言えばクラウン」ですが、その歴史はとても古く、当時から色々と組み立て式の銃を販売していました。

 

【マルゼン】

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234317j:plain

モナカ構造のリボルバーをラインナップしていました。

ここでいうモナカとは左右張り合わせのボディで中に固定ガスガンの機構を組み込んだタイプのもので、リボルバーでありながらスイングアウトやカートの装填排莢はオミットされていて、リアリティにいまいち欠けるものでありました。

 

S&W M29 6.5インチ ↓

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707233912j:plain

S&W M29 PPCカスタム(アップデートパーツを組み込む)↓

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707233932j:plain

コルトパイソン 6インチ ↓

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707233954j:plain

コルトパイソン シューティングカスタム  ↓

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234011j:plain

と2機種4タイプ(PPCはパーツとして販売されちたので正確には純正ではない)をラインナップしていました。

これらは全て購入し、今も所有しています。

「モナカ式」と呼ばれる構造で、シリンダーは回転せず、マガジンもスコープを模したものだったり、アンダーラグをマガジンとして用いたりと、これもメーカーさんの努力アイデアが満載のシリーズでした。

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234101j:plain

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234116j:plain

 

実用面ではマルゼンのこのシリーズが一番だったと思います。現在でも初速計測では0.2gバイオ弾で60mps以上の数値をたたき出すので、当時も含めて現在でも非常に優秀なモデルといえます。

また、固定ガスガンとほぼ同じ構造をもつため寒さに強く、高い命中精度を持っていました。

あとは独特の「ペンっっ!・・・ペンッ!」という発射音が特徴的です。

 

【コクサイ】

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234344j:plain

そう、私たちおじさんマニアならばコクサイと言えば・・・

「コクサイ?」「(*'▽')うん、コクサイ」

じゃなくて

リボルバーのコクサイ」ですね。

・・・関係者の皆様m(_ _"m)失礼いたしました。

同社はモデルガンもさることながら、ガスリボルバーでも充実したラインナップがあり、時期は若干バラバラながらも

S&W M10/M64

S&W M19/M66

S&W M29/M629

スピードコンプ

COLT PYTHON と多数の機種・バレルサイズをラインナップし、

初期型のHOPなしから後期型はHOPありの「スナイピングシステム」を標準として再ラインナップしました。

さらに後半には磁石が付くメガヘビーウエイトのスマイソン、そしてM29/629に限り「CO2モデル」「7SHOT(357マグナム7連発)」も追加販売されました。

モデルガンメーカーらしく、カート式ガスリボルバーを主として販売していました。

後半はスナイピングシステムのおかげでそこそこ飛距離はのびたものの、やはりローパワーは否めず、また、HOPが強すぎで重量弾を用いないとまっすぐ飛ばず、さらに低初速化に拍車がかかる状態でした。当時のジョークで、コクサイのリボリバーから発射された白いBB弾は手で叩き落とせる・・・なんてものもありました。

メカ的にはフォーシングコーンと呼ばれるシリンダーとバレルを密着させ、気密性・弾道直進性を向上させるためのパーツが樹脂で割れやすく、ここが割れてしまうとバレルが脱落し、ヘロヘロの弾が出てきます。

また価格帯も非常に高価格で、ハンドガンで¥10,000を超える価格設定でしたので、買いそろえるにはちょっと勇気がいりました。

外観仕上げは非常によく、特にパイソンの後期モデルについては、薬きょうが「チャリン」と甲高い音を発し、スイングアウト→排莢時のギミックは最高で、またシングルアクションは「ガスリボルバー史上最キモチいいハンマーのコッキング」と言っても過言ではないくらいです。

youtube「Daijiro357」さんのアップ動画で実銃コルトパイソンのレビューがいくつか載っています。その中で氏も「このパイソンのシングルアクションのキモチよさは別格」とおっしゃっていました。実銃のパイソンは撃ったことがないのですが、ひょっとしてこんな感じなのカナーと一人で思いふけったりします(´-`*)

 

【マルシン】

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234524j:plain

こちらもリアルカート式のガスリボルバーを生産されていました。

S&W M29/M629

ミリタリー&ポリス

S&W M36/M60/M49?M649

S&W M586/M686

S&M M10

SAA

こういったラインナップでした。

当時としてはガスリボルバーで唯一Lフレームの586・686を発売されていて、その仕上げもメタルフィニッシュ・ニッケルフィニッシュと非常にキレイでした。

そこそこパワーはありましたが、それでもオートには歯が立たず、価格が若干お高めでしたのと、カートリッジが実銃サイズと大きく異なり、スピードローダーの使用ができなかったこと、そして次が一番のネック

 

「専用BB弾出ないと弾ポロしてしまう」

でした。マルシンのエクセレントBB弾(ブルーのもの)は通常のBB弾よりもわずかに外径が大きく、バレルもカートリッジもパッキンもすべてそれに合わせてできていました。そのため通常BB弾を使用すると弾ポロしてしまい、まともに発射できません。純正のブルー弾使用すれば、そこそこのパワーはあったものの、弾が専用品とあって、やはり使い勝手に難ありという感じでした。

 

【タナカ】

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234600j:plain

今でこそ「ペガサスシステム」でハイパワーなリボルバーを生み出したメーカーとして有名ですが、ここにたどり着くまでには同社さんにはものすごいご苦労があったのです。頭が下がります。

リアルカートのリボルバーとして

コルト ディテクティブスペシャ

S&W M10 というスナブノーズ

あとは

SAAなどをラインナップしていましたが、とにかくローパワー&動作不安定で撃ち合いに使用できるような状態ではなく、 コレクターズアイテム化してしまっています。

 外観もそこそこリアルでしたので、現在も所有はしていますが、弾が出るモデルガン・・・いや「弾も出るモデルガン」的な感じでしょうか・・・(;´・ω・)

別ラインナップとしてリボルバー形状の固定ガスガンとしてコルトパイソンを販売していましたが、これもまたアンダーラグがマガジンとなっていてシリンダーは回転しないモナカ構造の機構でした。このパイソンの特徴は4インチ・6インチ・8インチのバレルそれぞれ別パーツとして販売していた点で、今でもヤフオクで見かけることがあります。

 

【カナマル】

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234639j:plain

今はもう活動していないメーカーさんだと思いますが、この会社からは「チャーターアームズ」というメーカーのリボルバーをラインナップしていました。

・アンダーカバー44(2.5インチくらい)

・ブルドック44(3インチくらい)

・トラッカー357マグナム(4インチくらい)

と3機種をラインナップしていました。

この銃の最大の特徴は「マガジンを装填するリボルバー」でして、新品の状態で、マガジンが何個かついてきます。

それがコレ。 ↓↓↓

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234723j:plain

 

シリンダーは回転せず、発射機構がそのまま備わっていて、トリガー・ハンマーに連動してバルブをたたき、ガスを開放→BB弾発射となっています。

射手側から見てシリンダーの左側面はフタになっていて、スイングアウトするようにフタが開きます。

すると・・・ ↓↓↓

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707234826j:plain

シリンダー前面にマガジンを装填する場所があります。

ココにBB弾を装填した円盤型のマガジンを装填して、発射準備となります。

シングルアクション・ダブルアクションとも作動は良好ですが、いかんせんパワーがなく、またバレルの短さ(アンダーカバー)もあって、あまりグルーピングの精度もよくなかったです。モデルの販売末期は、福袋に入れられていたり、店舗の軒先で投げ売りされていたりと、散々な扱いだったのが印象的でした。実銃メーカーではちゃんとしたメーカーさんだったのだと思うのですが、トイガンでは非常にマイナーなモデルでもありますので、

f:id:DELTAELITE-10mmAUTO:20190707235217j:plain


私の当時の友人は「サタデーナイトスペシャル」と呼んでいたこともありました

(;´・ω・)

 

エア・ガスリボルバー黎明期、各メーカーさんの試行錯誤の結果、数々の迷銃・珍機構が生まれました。

 

特にエアリボルバーに関しては、弾がまっすぐ前に飛ぶようになったカート式のものは平成7~8年頃にグンゼ産業が販売したS&W586の登場まで待たねばならず、この銃を手にしたときには感動しました。

 

今は各社のガスリボルバーが特色にあふれ、使用目的ごとにメーカーも選べる状態になり、性能も向上したのでサバゲにも持ち込めるくらいになりましたが、それもこうした時代の試行錯誤を経てきた過去があって、楽しませてもらえるようになったのだなと、ファンの夢を大事にしてくれた当時の開発担当者さんたちには感謝の気持ちがいっぱいです。